ストーカー被害に遭っているにもかかわらず、警察が十分に対応してくれないことがあります。証拠が不十分だったり、法的要件を満たしていない場合、被害者が不安を抱えたまま放置されるケースも少なくありません。そんな時、最も頼りになるのが家族の支援です。
この記事では、警察が動かないときに家族が取るべき具体的な行動と、被害者を守るための方法について詳しく解説します。
被害者の心理的サポート
ストーカー被害者は、継続的な監視や接触により極度のストレスや恐怖を感じています。家族はまず「心の避難所」となることが求められます。
家族ができるサポート内容
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共感的に話を聞く:「怖い思いをしたね」「あなたの味方だよ」といった安心感を与える言葉をかける。
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孤立させない:できる限り一人にさせないようにし、日常生活をサポートする。
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被害の深刻さを一緒に理解する:甘く見ず、命に関わる問題として受け止める。
証拠の収集と記録の徹底
警察が動かない理由の一つに「証拠の不十分さ」があります。被害を立証できる証拠を揃えることが、対応を引き出す鍵です。
記録・保存すべきもの
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メール・LINE・SNSのメッセージ(スクリーンショットで保存)
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通話履歴や録音(ボイスレコーダー推奨)
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つきまといの日時・場所・状況を詳細に書いた日記
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監視カメラやドライブレコーダーの映像
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目撃者がいれば証言を得ておく
外部支援機関への相談
家族だけで対応が難しい場合は、専門機関の助けを借りることが有効です。
相談先一覧
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女性センター / 配偶者暴力相談支援センター
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カウンセリングや一時保護などの支援が受けられる
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法テラス
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無料で法律相談が可能
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民間のNPO団体(例:全国被害者支援ネットワーク)
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支援員が被害者に寄り添った対応をしてくれる
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弁護士
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仮処分申立て(接近禁止命令等)の手続きに精通
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家族が行える安全対策
物理的な安全確保も重要です。以下のような対策を講じましょう。
家庭内でできること
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家の鍵を変更・補強する(ダブルロック化、防犯フィルム、補助錠)
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センサーライトや監視カメラの設置
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防犯ベルや緊急連絡アプリの活用
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通勤・通学・買い物など外出の付き添い
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住所の特定を防ぐため、SNSの利用制限や個人情報の見直し
法的措置の検討と手順
警察が動かない場合でも、法的にストーカーを制止させる方法はあります。
接近禁止命令(ストーカー規制法に基づく)
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証拠を揃えて家庭裁判所に申し立て
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緊急性が認められれば仮処分が出る
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違反すれば刑事罰の対象になる
弁護士に相談すれば、書類作成や裁判所への申立てをサポートしてもらえます。
警察が対応しない原因と対処法
よくある警察の言い分
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「まだ実害がない」
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「証拠が足りない」
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「民事トラブルの範疇」
これに対する対策
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継続的に被害届・相談記録を残す
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地域の生活安全課、または都道府県警本部の「相談窓口」に持ち込む
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弁護士を介して圧力をかける(警察も慎重に動くようになる)
絶対にしてはいけない行動
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被害者を責める:「なんで連絡したの?」などの発言は禁物
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加害者に直接接触する:逆上や報復のリスクがある
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独断で行動する:証拠が失われたり、法的に不利になる可能性も
まとめ
ストーカー被害は被害者本人だけでなく、家族全体に不安をもたらします。警察がすぐに動いてくれない場合でも、家族ができることはたくさんあります。冷静に状況を把握し、証拠を収集し、専門機関と連携して対応することで、被害の拡大を防ぐことが可能です。
一番大切なのは、被害者が「一人じゃない」と感じられるように寄り添い、支えてあげることです。