ストーカー被害に直面した際、警察に相談することは非常に重要です。
しかし、効果的な対応を得るためには、事前に必要な証拠や情報を準備しておくことが求められます。
本記事では、警察へ相談する際に用意すべき証拠や情報、相談の流れ、そして被害を防ぐためのポイントについて詳しく解説します。
ストーカー行為とは何か?
法的定義(ストーカー規制法より)
ストーカー行為とは、相手に対する「恋愛感情」や「怨恨」などを動機とし、以下の行為を繰り返し行うことを指します:
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つきまといや待ち伏せ
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無言電話や過剰なメール
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SNSでの監視や誹謗中傷
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贈り物や手紙の連続送付
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GPSなどによる位置情報の追跡
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名誉を傷つける投稿
このような行為が反復され、相手に「著しい不安や恐怖」を与えた場合、法的にストーカーとして扱われます。
相談前に準備すべき証拠の具体例
重要な証拠の種類と収集方法
証拠の種類 | 収集方法・保存のポイント |
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SNS・メール・LINE | スクリーンショットを日付付きで保存、印刷して紙で残すのも有効 |
着信履歴・通話録音 | スマホアプリで録音(合法であることを確認)、通話時間も記録 |
映像・写真 | 加害者の姿や被害現場の様子を撮影(防犯カメラの設置も推奨) |
手紙・物品 | 捨てずに保管し、写真を撮って証拠化。送り主の情報も記録 |
GPS発信機など | 発見場所の写真、使用していた機器の証明書(販売元の証言等) |
ポイント
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証拠は時系列順に整理。
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第三者が見て明確にわかる形で記録。
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被害内容は日記形式でメモしておく(例:2025年5月20日 午後7時、駅前で待ち伏せされた 等)。
整理しておくべき被害情報の詳細
警察は証拠とともに、以下のような情報を求めます:
自身について
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氏名・住所・電話番号
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勤務先や通学先
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緊急連絡先(家族や信頼できる友人)
加害者について(分かる範囲でOK)
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氏名・年齢・職業
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居住地や勤務先
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写真(SNSのプロフィール画像でも可)
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関係性(元交際相手、同僚、通学路の通行人など)
被害の経緯
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いつから被害が始まったか
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何回くらい被害があったか
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被害による生活の支障(精神的な不安、不眠など)
警察への相談方法と対応の流れ
警察相談の3つの方法
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緊急時:110番通報
→ 命の危険がある、すぐに対応が必要な場合。 -
非緊急:#9110(警察相談専用ダイヤル)
→ 最寄りの警察署につながり、生活安全課が対応。 -
直接来署して相談
→ 証拠を持参し、生活安全課に直接被害を説明。
警察の対応ステップ
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事情聴取・証拠確認
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ストーカー警告の発出(必要に応じて)
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禁止命令の申請(公安委員会へ)
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違反した場合の逮捕や罰則適用
相談時の注意点とよくある質問
注意点
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感情的にならず、事実を整理して説明。
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被害届と相談は別物。被害届は法的手続きを希望する意志の表明。
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録音可能な場では、警察とのやり取りも記録(後の証明に役立つ)。
よくある質問
Q. 相談だけでもして良い?
A. もちろん可能です。相談段階でも警告や巡回強化などの対応が得られる場合があります。
Q. 証拠が少ないと相手にされない?
A. 証拠がなくても不安があれば相談を。状況に応じて警察が支援してくれます。
専門機関や支援窓口の活用
機関 | 内容 | 連絡先 |
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警察相談ダイヤル | 警察の一般相談 | #9110 |
法テラス | 法的支援、弁護士紹介 | 0570-078374 |
配偶者暴力支援センター | DV・ストーカー支援 | 各都道府県設置 |
女性の人権ホットライン | 女性の相談窓口 | 0570-070-810 |
民間シェルター | 一時避難場所の提供 | 女性支援団体等 |
まとめ
ストーカー被害は一人で抱え込むことなく、早めに専門機関へ相談することが最も重要です。証拠の収集と整理を丁寧に行うことで、警察の対応も迅速かつ的確になります。日頃から防犯意識を高め、万が一の時にも慌てず行動できるよう備えておきましょう。