近年、テクノロジーの進化によりGPS発信機は小型化・高性能化し、誰でも簡単に入手できるようになりました。
そのため、車や自転車に無断でGPSを取り付けられるケースも増加しています。
こうした行為はストーカー被害やプライバシー侵害につながる可能性があり、早急な対応が必要です。
この記事では、車や自転車にGPSが仕掛けられているかどうかを調べるための具体的な方法を、10項目に分けて詳しく解説します。
目視での確認
GPSを探す第一歩は「目で確認すること」です。不審な装置や配線がないか、以下の場所を徹底的に調査しましょう。
車の場合:
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バンパー裏側:磁石で簡単に取り付けられる場所
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車体の底面:視界に入りにくく、取り付けが容易
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トランクの内側:スペアタイヤの下など
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ダッシュボード下やグローブボックス内
自転車の場合:
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サドル下部:カバー内やサドル裏の金属部
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ライトやベルの中:内部がくり抜かれている場合がある
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フレームの中空部分:工具が必要な点検箇所
コツ:磁石付きのデバイスが多いので、磁石でくっつく不審物に要注意。
GPS発見器の活用
GPS発見器(バグディテクター)を使えば、電波を出しているGPS機器を検出できます。安価なモデルでも電波強度を可視化できます。
手順:
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発見器をオンにする
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車両や自転車の周囲をゆっくりスキャン
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信号強度の高い場所で再確認
注意点:GPSロガー(非通信型デバイス)は電波を出さないため、発見器では検出できません。
Bluetooth検出アプリの使用
AppleのAirTagやTileなど、Bluetooth通信で位置を知らせる追跡デバイスが増加中。スマホで検出可能です。
おすすめアプリ:
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iPhone:「探す」アプリ → 「不明なAirTagを探す」
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Android:「Tracker Detect」「AirGuard」
使い方:
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アプリを起動し、近くのBluetooth機器をスキャン
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不明なデバイスがあれば詳細を確認
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定期的にスキャンを行う
自転車のチェックポイント
自転車は車よりも取り付け箇所が少ないですが、次のポイントを見落とさないようにしましょう。
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サドルの裏にマグネット付きで貼り付けられている
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ライト・ベル・スマホホルダーに偽装されている
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ペダルやチェーンカバーに組み込まれていることもある
車の重点確認部位
車は多くの死角があるため、特に以下を重点的にチェックしてください。
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フロント・リアバンパーの内側
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マフラー付近
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車のホイールハウス周辺
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エンジンルーム内(配線の異常も要注意)
補足:点検の際は車両をリフトアップすると見逃しが減ります。
不審機器の特徴を知る
GPS発信機にはある程度共通する特徴があります。以下を覚えておくと発見に役立ちます。
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サイズは手のひら程度(小型で軽量)
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黒やグレーなど目立たない色
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マグネット付き、または強力テープで固定
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USB型・電池内蔵型・ソーラー型など多様な形状
GPSロガーへの対応
GPSロガーはリアルタイム発信を行わず、位置情報を記録して後で回収・確認する装置です。電波を出さないため、発見器では検出できません。
対策:
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目視での徹底確認
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不審なUSBや小型デバイスを見逃さない
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発見次第、触らずに写真撮影・警察に相談
専門業者による調査
自力での発見が難しい場合は、探偵やセキュリティ業者への依頼が確実です。
メリット:
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高精度な機器と経験による調査
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法的対応のアドバイスが可能
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車両の解体レベルの調査も対応可能
費用相場:
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車両1台につき2万~10万円程度
警察への相談手順
ストーカー行為や盗難の懸念がある場合は、警察への相談が最優先です。
相談の流れ:
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不審なGPSの発見、証拠写真を用意
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最寄りの警察署に相談
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被害届または相談記録を作成してもらう
ポイント:デバイスには触れず、元の状態を保持して届け出ましょう。
法的対処と弁護士相談
個人情報の無断収集や監視は、ストーカー規制法や刑法で処罰される可能性があります。法的措置を検討するなら、弁護士の力を借りましょう。
相談先:
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法テラス(無料法律相談)
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地元の弁護士会
想定される罪状:
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不正アクセス禁止法違反
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プライバシー権侵害
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不法侵入